投稿日: 2023/01/27

こんにちは。バラ十字会の本庄です。

電車が止まったり、車が立ち往生したり、大雪のさまざまな被害が報じられていますね。東京板橋も、昨日今日と、今年一番の寒さになっています。

お変わりはありませんでしょうか。

私の友人で作編曲家をしている渡辺さんから、『時間の謎』という題の文章が届きましたので、ご紹介します。

区切り

『時間の謎』

渡辺篤紀
渡辺篤紀

■ 予知?

私は楽器演奏の仕事もしているのですが、先日、とある演奏会場で、出番の時間までバンドメンバーと他愛もないおしゃべりをしながら過ごしていました。

その部屋で流れているBGMのこと、様々な音楽のことなどを取りとめもなく話していましたが、メンバーの一人が急に、

「バスドラムのヘッドに自分の似顔絵を書いている、あのドラマー、誰だっけ?」

と言い出しました。

私たちは、思いつくままにドラマーの名前を挙げて行きましたが、どれも違いました。

「○○というギタリストとよく演奏しているドラマー」

というヒントを頼りにネットで調べてみると、Aというドラマーであることがわかりました。

ここまでは、本当にたわいもない話でした。

そして、演奏を終え、たまたま今日の演奏を聴きに来られていたドラマーの方とお話しをする時間があり、SNSのIDを交換しました。

そのIDに使われているアイコンを見て、私は驚きました。

なんと、そこには手書きのドラムセットの画像があり、しかも、そのドラムセットのバスドラムの部分には、「顔」の絵が書かれていたのです。

ほんの数時間前の他愛もない会話の中に出てきた内容が、数時間後には現実となったことに、私は大変驚きました。

■ 過去からの促し? 未来からのメッセージ?

皆さんも、印象の強さはさまざまでしょうが、このような体験をされたことが何度もあるのではないでしょうか。

精神科医で心理学者のユングは、このような現象を「シンクロニシティ」(共時性)と呼びました。

「シンクロニシティ」(共時性)とは、「意味のある偶然の一致」を指し、因果関係がない2つの事象が、類似性と近接性を持つこと、と説明されています。

ユング自身にも、次の有名なエピソードがあります。

彼の患者が、スカラベ(コガネムシ)の夢を見たことをユングに話しているときのことです。まさにその瞬間に、スカラベ(コガネムシ)がその部屋に飛来してきました。

この患者の治療は、それまではうまく進んでいなかったのですが、このことを境に快方に向かったそうです。

患者の治療と、夢で見たスカラベと部屋に飛来したスカラベ。

これらは一見何の因果関係もありませんが、夢で見たことが現実になったという事実を患者が受け入れたときに、患者の中で何かが変容したと考えられています。

しかし、これは過去から未来を予言した予知夢だったのでしょうか?

それとも、未来の出来事が過去に伝わったものだったのでしょうか?

他の例として、「虫の知らせ」などという言葉もありますが、ふと頭に浮かんだ人と連絡を取らなければと思って連絡すると、まさに相手も連絡を取ろうとしていたなど、このようなエピソードは、私たちの周りにもありふれています。

このテレパシーのようなものは、リアルタイムに行われるのでしょうか?

私自身の経験から考えると、このような事象は、少しタイムラグがあって起こることもあるようです。

ゆがんだ時計(時間の謎のイメージ)

■ TENET

2020年に、クリストファー・ノーラン監督作品の「TENET」という映画が公開されました。

これは「名もなき男」が、その都度送られてくる「ある指令」によって第三次世界大戦から世界を救うという物語ですが、その「ある指令」は未来から送られてくるというものでした。

実は、未来の「名もなき男」自身が、未来からタイムマシーンを使って過去を変えるために「ある指令」を送っていたのですが、映画の題名でもある「TENET」という回文で、このことが示唆されています。

回文とは、初めから読んでも、終わりから読んでも同じ文字や音節で構成される文章で、言葉遊びの一種でもあります。

ちなみに、よく聞く呪文の「アブラカタブラ」(Abracadabra)も一種の回文です。

そして「TENET」は、「SATOR AREPO TENET OPERA ROTAS」というラテン語の回文に出てくる単語です。

この回文の意味は正確には知られていませんが、初期のキリスト教やミトラ教や魔術などと関係があるものと考えられています。

また、この回文を次のように5行5列に並べたものは「サトル(SATOR)スクエア」と呼ばれています。

サトル(SATOR)スクエア
サトル(SATOR)スクエア
イタリア共和国アブルッツォ州カペストラーノにあるサン・ピエトロ・アド・オラトリアム修道院の入り口左側のサトル・スクエア(上下が逆転している)
イタリア共和国アブルッツォ州カペストラーノにあるサン・ピエトロ・アド・オラトリアム修道院の入り口左側のサトル・スクエア(上下が逆転している)

西暦79年のヴェスヴィオ噴火で失われた、ローマのヘルクラネウムという都市で見つかったものが最古のもので、イタリア(ローマ)、イングランド、フランスなどの遺跡でも見つかっています。

ちなみに、千年ほど前の聖書では、キリスト降誕の物語に登場する東方三博士の名前は、「SATOR」、「AREPON」、「TENETON」と呼ばれていたそうです。

私は、サトル・スクエアの回文が「種をまいた者がその収穫物を刈り取る」という意味ではないかと考えています。また、回文になっていることそのものにも、この意味が込められているのではないかと思っています。

最初のエピソードに戻りますが、

これは、最初に「バスドラムに書かれた顔」の話をしたことは、そのアイコンを見るという「未来に関する予知」だったのでしょうか?

それとも、「バスドラムに書かれた顔」のアイコンを見た、「未来からのメッセージ」だったのでしょうか?

「TENET」の場合は、未来からの積極的な過去への介入が行われていたのですが、たとえば、先ほど例を挙げたテレパシーやシンクロニシティが、時差をもって生じる場合、人間の精神内のイメージなどは、「過去から未来へ」、または「未来から過去へ」と、時間という制約に縛られずに存在できるように思われます。

「過去」と「現在」と「未来」というものは、現実というものに縛られた人間の感覚が作り出した幻想で、人間の深層意識(ソウル)は、軽々とこれらを超越できるのではないでしょうか?

皆さんは、どうお考えでしょうか?

砂時計(時間の謎のイメージ)
区切り

ふたたび本庄です。

当会の調査では、サトル・スクエアは元々、カバラ(ユダヤ教神秘思想)の主な原理を表すヘブライ語の25文字から構成されていたとのことです。

下記は、渡辺さんの前回の記事です。

では今回は、この辺りで。 またお付き合いください。

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